菫色とグリーンの頽廃が過ぎて……
厳かなるアドベント、菫色の季節を迎えました。
身の引き締まるような冬の清廉な空気が心地よいこの頃です。
晩秋の企画展《ルール・デュ・ポエット〜ルネ・ヴィヴィアンとポール・ヴェルレーヌ》の頽廃の余韻に浸りつつ、菫色の小部屋はクリスマス企画展《WHITE, SILVER AND NIGHT》の準備を整えております。

詩人の時間を紡いだ《ルール・デュ・ポエット》、会期中はたくさんのお客様に足をお運び頂きました。菫色の小部屋の其処此処に、頽廃の遺香がまだうっすらと。

ルネ・ヴィヴィアン《シャンソン》とポール・ヴェルレーヌ《小夜鳴き鳥》。訳者の中島淑恵氏、玉田優花子氏に選んで頂いた二篇から、詩人たちの時間は始まりました。

中島氏の冷たき絢爛と、玉田氏による小暗き清廉。彼方の詩人の囁きを現代に伝える二篇です。
ルネ・ヴィヴィアンとの出会いは中島氏の訳詩に触れたことがきっかけでした。2011年に開催した《菫色の文法〜ルネ・ヴィヴィアンの寢臺》でもご協力頂き、今回ふたたび、菫色のピュアな一滴を訳出して下さいました。
ヴェルレーヌとの出会いは上田敏『海潮音』。女学生の時分、その訳詩にどれほど心を震わせたかわかりません。玉田氏による《小夜鳴き鳥》は、瑞々しい語感と葉叢をくぐるような頽廃のカーテンがそよぐ、まさに現代的な一篇。

そして、画家の永井健一氏に描いて頂いた装画は、ヴィヴィアンの繊細ながらも透徹な眼差しと、ヴェルレーヌの清廉と複雑がない交ぜになった詩情をあますところなく伝える珠玉。

ルネ・ヴィヴィアン《シャンソン》装画(永井健一/2015年)
ヴィヴィアンが身につけている指輪は霧とリボンの今夏の一品

永井氏の夢のあるエスプリを、メッセージカードに仕立てました
プレゼント用にご購入下さった方へ、お渡ししております

ポール・ヴェルレーヌ《小夜鳴き鳥》装画(永井健一/2015年)
訳者と画家による美しい詩情に華を添えられるよう、ハーブティをブレンド致しました。


書物のページに見立てた紅茶ラベルには
《シャンソン》原詩を掲載(装画:永井健一)


書物のページに見立てた紅茶ラベルには
《小夜鳴き鳥》原詩を掲載(装画:永井健一)

訳詩、絵画に彩られたふたつのハーブティは、霧とリボンの定番商品として今後も販売してまいります。末永く愛される一品となりますように……

箱入セットには、ハーブティ6杯分に加え、
新訳、装画、詩人解説、栞風蔵書票他を
纏めた小冊子が封入されます
*
展覧会では、画家の永井健一氏とカリグラファの佐分利史子氏による新作が、詩人の時間を描き出しました。会期中にルネ・ヴィヴィアンの命日を迎えたこともあり、その繊細優美なる競演に、菫色の小部屋はひっそりと頽廃を深めて……

永井健一氏はご自身の描く人物像が伏し目であることについてこう語ります。
人物の顔という形をとっていますが、その場に留まった「思い」や「記憶」が顔として具現化したもの。人物が実在しない印として、目を閉じさせています。

永井健一《詩像ーRenée Vivienー》2015年
かたちとしてとらえられないけれど、感受できるもの。彷徨するポエジーを絵筆で追い求める旅人のようです。絵画の中にちりばめられた暗示的なモティーフが、紙の上で結晶化する様は繊細を極め、観る者を詩世界を越えた場所に誘います。
佐分利史子氏のカリグラフィ作品の魅力は何より、純粋に、真摯に、文字を書くことに向き合う姿にあります。

佐分利史子《Nevermore(部分)》2015年
伝統的な書体を完璧に美しく描くことで生まれる何か…生命感や緊張感のようなものを、その題材(言葉や詩)が持つ情景や感情に変えられればと考えている。……佐分利史子プロフィールより抜粋

佐分利史子《屋根の上なる大空》2015年
一貫して、文字を描く瞬間のドラマの中に、題材のドラマを現出させることを追求する佐分利氏。書体はどこまでも美しい調和を目指し、内部にこそ破調を宿す作品群は、その研ぎ澄まされたストロークから萌えるように静寂が滲んできます。
こうして、訳者、画家、カリグラファの詩情が交錯した夢のひとときが、時を刻んでゆきました。霧とリボンのハーブティの一杯が、過ぎゆく時を惜しむように、香りを燻らせて……
*

霧とリボンのふたりのミューズ
《小夜鳴き鳥》訳者の玉田優花子様(右)
霧とリボンのモデルをつとめて下さっているビリチス様(左)
訪れて下さったお客様、SNSなどで告知にご協力下さいました皆々様に心より御礼申し上げます。
12月15日よりクリスマス企画展《WHITE, SILVER AND NIGHT》がはじまります。アドベントの一日、どうぞお出かけ下さいませ。

菫色の小部屋より、感謝を込めて・・・
*
永井健一様がブログに綴って下さいました。
→《ルール・デュ・ポエット》閉幕
身の引き締まるような冬の清廉な空気が心地よいこの頃です。
晩秋の企画展《ルール・デュ・ポエット〜ルネ・ヴィヴィアンとポール・ヴェルレーヌ》の頽廃の余韻に浸りつつ、菫色の小部屋はクリスマス企画展《WHITE, SILVER AND NIGHT》の準備を整えております。

詩人の時間を紡いだ《ルール・デュ・ポエット》、会期中はたくさんのお客様に足をお運び頂きました。菫色の小部屋の其処此処に、頽廃の遺香がまだうっすらと。

ルネ・ヴィヴィアン《シャンソン》とポール・ヴェルレーヌ《小夜鳴き鳥》。訳者の中島淑恵氏、玉田優花子氏に選んで頂いた二篇から、詩人たちの時間は始まりました。

中島氏の冷たき絢爛と、玉田氏による小暗き清廉。彼方の詩人の囁きを現代に伝える二篇です。
ルネ・ヴィヴィアンとの出会いは中島氏の訳詩に触れたことがきっかけでした。2011年に開催した《菫色の文法〜ルネ・ヴィヴィアンの寢臺》でもご協力頂き、今回ふたたび、菫色のピュアな一滴を訳出して下さいました。
ヴェルレーヌとの出会いは上田敏『海潮音』。女学生の時分、その訳詩にどれほど心を震わせたかわかりません。玉田氏による《小夜鳴き鳥》は、瑞々しい語感と葉叢をくぐるような頽廃のカーテンがそよぐ、まさに現代的な一篇。

そして、画家の永井健一氏に描いて頂いた装画は、ヴィヴィアンの繊細ながらも透徹な眼差しと、ヴェルレーヌの清廉と複雑がない交ぜになった詩情をあますところなく伝える珠玉。

ルネ・ヴィヴィアン《シャンソン》装画(永井健一/2015年)
ヴィヴィアンが身につけている指輪は霧とリボンの今夏の一品

永井氏の夢のあるエスプリを、メッセージカードに仕立てました
プレゼント用にご購入下さった方へ、お渡ししております

ポール・ヴェルレーヌ《小夜鳴き鳥》装画(永井健一/2015年)
訳者と画家による美しい詩情に華を添えられるよう、ハーブティをブレンド致しました。


書物のページに見立てた紅茶ラベルには
《シャンソン》原詩を掲載(装画:永井健一)


書物のページに見立てた紅茶ラベルには
《小夜鳴き鳥》原詩を掲載(装画:永井健一)

訳詩、絵画に彩られたふたつのハーブティは、霧とリボンの定番商品として今後も販売してまいります。末永く愛される一品となりますように……

箱入セットには、ハーブティ6杯分に加え、
新訳、装画、詩人解説、栞風蔵書票他を
纏めた小冊子が封入されます
*
展覧会では、画家の永井健一氏とカリグラファの佐分利史子氏による新作が、詩人の時間を描き出しました。会期中にルネ・ヴィヴィアンの命日を迎えたこともあり、その繊細優美なる競演に、菫色の小部屋はひっそりと頽廃を深めて……

永井健一氏はご自身の描く人物像が伏し目であることについてこう語ります。
人物の顔という形をとっていますが、その場に留まった「思い」や「記憶」が顔として具現化したもの。人物が実在しない印として、目を閉じさせています。

永井健一《詩像ーRenée Vivienー》2015年
かたちとしてとらえられないけれど、感受できるもの。彷徨するポエジーを絵筆で追い求める旅人のようです。絵画の中にちりばめられた暗示的なモティーフが、紙の上で結晶化する様は繊細を極め、観る者を詩世界を越えた場所に誘います。
佐分利史子氏のカリグラフィ作品の魅力は何より、純粋に、真摯に、文字を書くことに向き合う姿にあります。

佐分利史子《Nevermore(部分)》2015年
伝統的な書体を完璧に美しく描くことで生まれる何か…生命感や緊張感のようなものを、その題材(言葉や詩)が持つ情景や感情に変えられればと考えている。……佐分利史子プロフィールより抜粋

佐分利史子《屋根の上なる大空》2015年
一貫して、文字を描く瞬間のドラマの中に、題材のドラマを現出させることを追求する佐分利氏。書体はどこまでも美しい調和を目指し、内部にこそ破調を宿す作品群は、その研ぎ澄まされたストロークから萌えるように静寂が滲んできます。
こうして、訳者、画家、カリグラファの詩情が交錯した夢のひとときが、時を刻んでゆきました。霧とリボンのハーブティの一杯が、過ぎゆく時を惜しむように、香りを燻らせて……

霧とリボンのふたりのミューズ
《小夜鳴き鳥》訳者の玉田優花子様(右)
霧とリボンのモデルをつとめて下さっているビリチス様(左)
訪れて下さったお客様、SNSなどで告知にご協力下さいました皆々様に心より御礼申し上げます。
12月15日よりクリスマス企画展《WHITE, SILVER AND NIGHT》がはじまります。アドベントの一日、どうぞお出かけ下さいませ。

菫色の小部屋より、感謝を込めて・・・
*
永井健一様がブログに綴って下さいました。
→《ルール・デュ・ポエット》閉幕
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