霧とリボン
愛書家のための小間物ブランド《霧とリボン》のブログ
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DATE: 2014/03/05(水)   CATEGORY: ESSAY
Ash Wednesday……灰の水曜日
lent1_12cm.jpg
十字架の道行きを描いた一枚

 今日は大斎始日、灰の水曜日(Ash Wednesday)。この日から司祭のストールや教会内の講壇掛け、敷布などがいっせいに菫色になり、慎みの季節、大斎節(Lent)の到来を告げます。

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 昨年は、HOLON タイポグラフィ作品展《スクリプトリウム〜聖書の言葉を写し、纏う試み》の会期中に灰の水曜日を迎えました。*デザイン工房HOLONは《霧とリボン》の運営元です。

DM_SR.jpg
《スクリプトリウム》展DM

 展覧会では、シルクスクリーン、リトグラフ、写真作品、限定版書物、書体見本、約20点(全て新作)の他、HOLON設立当初から表紙・目次・扉デザインを手がけてきた『現代思想 臨時増刊号』(青土社)やプライベート出版物、邦楽家・西松布咏氏のために制作した舞台衣装(着物と帯/オリジナルアルファベット書体で綴った詞章を染めたもの)なども展示致しました。

HOLON タイポグラフィ作品展
スクリプトリウム
〜聖書の言葉を写し、纏う試み〜

2013.2.11[月・祝]〜16 [土]
13:00〜20:00
森岡書店
(日本橋茅場町)



「SCRIPTORIUM」とは修道院の写字室のこと
長きに渡り、修道士たちの手により
聖書の言葉は壮麗に写され、遺されてきました
私達は、アルファベット書体デザインを現代の写字法ととらえ、
文字によって多彩な情景を表現できるよう、
装飾を重視した書体制作を行ってきました
本展示では、文語訳聖書と欽定訳聖書(KJV・1611年)を題材に、
聖書の言葉を写し、衣服として纏う試みを定着させた
タイポグラフィ作品(平面・書物)を発表します

HOLON設立16周年を記念し、設立当初より
表紙デザインを担当してきた『現代思想 臨時増刊号』(青土社)、
プライベート出版物なども展示販売します



デザイン工房[HOLON]
1997年設立。ブックデザインを中心に、グラフィックデザイン全般に従事
1999年よりプライベート・プレス[Club Noohl]を運営、
限定版アートブックの刊行やオリジナル紙製品等も制作している
2013年、愛書家のための小間物ブランド[霧とリボン]設立


Ash_01_14cm.jpg
リトグラフ作品《Ash Wednesday》(2013)

 《Ash Wednesday》は灰の水曜日に捧げたリトグラフ作品。一見模様に見える図案は、オリジナルのアルファベット書体「セメタリー・ゲイツ」(下図)で創世記の一節「汝は塵なれば塵に皈るべきなり」がローマ字組みで綴られています。(つまり、「Nanji ha ……」)

CEMETERY GATES_14cm
オリジナル・アルファベット書体「セメタリー・ゲイツ」

Ash_02.jpg
リトグラフ作品《Ash Wednesday》(部分)

 灰の水曜日は大斎節の始まりの日、生と死に想いを寄せる日。礼拝では一年間大切にしてきた棕櫚の十字架を燃やし、その灰で額に十字架の印を受けます。その際、司祭が唱えるのが創世記の一節にちなんだ文言「あなたは塵から生まれたのだから、塵に帰らねばならぬことを覚えなさい」。

 書体「セメタリー・ゲイツ」は欧羅巴の墓地の鉄細工の門をイメージして制作。墓地の門はまさに生と死の狭間に位置する存在、創世記の一節を綴るにふさわしい書体として選びました。

Ash_03.jpg
上:《すみれとすみれのあいだ》(2013年・デジタル写真、銀塩プリント)
下:《夢のゆきかう薄明》(2013年・デジタル写真、銀塩プリント)

 上作品は、リトグラフ《Ash Wednesday》のモチーフである手袋を切り抜き、立体コラージュの感覚で配置、一発撮りした写真作品です。エリオットの詩 《Ash Wednesday》をテーマに、そのポエジーを表現すべく制作しました。タイトルもエリオットの詩からの引用です。



すみれとすみれのあいだを歩んだひと
さまざまな緑のさまざまな色合いの
あいだを
白と青の衣を、御母マリアの色を着て歩んだひと
永遠の悲しみを知らずして知りつつ
ささやかな事ごとを語らいしひと
人びと歩むときその者たちのあいだを動いたひと
噴水の力をつよめ泉の水をあらたにしたひと

…エリオット『聖灰水曜日』高松雄一訳
(『エリオット選集 第4巻』彌生書房・昭和50年刊)より


 2012年の大斎節は、聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団によるバッハ《マタイ受難曲》全曲を東京オペラシティにて拝聴しました。シュテファン・カーレ君の痛々しいまでに繊細なアリアは生涯ただ一度の珠玉。

☆聖トーマス教会《マタイ受難曲》/アルト:シュテファン・カーレ


憐れみたまえ
わが神よ、この涙ゆえに。
ここをご覧なさい
心と目が、あなたの前で
激しく泣いています。


 菫色の季節、慎み深い日々でありますように…


☆ザ・スミス《セメタリー・ゲイツ》



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