霧とリボン
愛書家のための小間物ブランド《霧とリボン》のブログ
DATE: 2014/06/01(日)   CATEGORY: ESSAY
六月の想い出
「人生、ロンドン、六月のこの瞬間がある」(丹治愛訳・集英社)
 
 ……そう、六月と言えば、ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』の季節! 六月を迎えるたび、この書物を鮮やかな心地で紐解きます。
 「ミセス・ダロウェイは、お花はわたしが買ってくるわ、と言った」(同前)で始まる長編(1925年)に先駆けて、ヴァージニア・ウルフは短編『ボンド街のダロウェイ夫人(1923年)』を発表、こちらは「手袋を買ってくるわ、とダロウェイ夫人は言った。」(川本静子訳・みすず書房)で始まります。

 昨秋の渡英ではダロウェイ夫人気分でボンド街を抜け、ハチャード書店の張り出し窓を眺めて参りました。

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それから——クラリッサはボンド街を通り過ぎ——ハチャード書店のそばに来た。
(中略)
なんてかわいい、と彼女は、張り出し窓の中で開かれている
回顧録らしい本の表紙を見つめながら、思った。
…(川本静子訳・みすず書房)


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 本格的にブランドをスタートする前の2009年春、朗読と洋菓子を楽しむお茶席「ちひさな文藝キャバレー《霧とリボン》」を開催しました。「霧とリボン」のささやかな歴史はここからはじまります。第一回目のお茶席のテーマは『ふしぎの国のアリス』、同年六月に開いたお茶席は『ボンド街のダロウェイ夫人』、ひっそりと共有される物語のみずみずしさを味わいつくした大切な想い出です。

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子供時代を呼び戻すミントの葉たっぷりのノンアルコールカクテル
“Drink Me” 自家製グレープフルーツシロップの炭酸水
…『ボンド街のダロウェイ夫人』のお茶席より


 その後、お茶席のテーマとした二つの物語にちなんだ小間物を発表、現在に至ります。

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ティバッグのように包装された「ティバッグ・ハンカチーフ」

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チョコバー型のメモ帳「Paper Bar〜チェシャ猫風味」

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アリスの「O・SA・GE ブローチ」




 そしてこの度、想い出深い六月に「ちひさな文藝キャバレー《霧とリボン》」を再スタートすることとなりました! 内容や形式は変わりますが、皆様にゆったりお楽しみ頂けるようなお茶席を開催する予定です。

 記念すべき今回は、敬愛する音楽ライターの高野麻衣さまを女主人としてお迎えし、バルテュスの絵画から連想する古き良き時代の音楽を蓄音機で鑑賞します。バルテュスのリトグラフが飾られた小部屋にて、音楽の魅力を風味豊かに伝えて下さる高野さまと共に素敵なひとときを過ごすことができましたらと思います。
 
 詳細やお申し込み方法は近日中にアップ致します。

 皆様のお越しを心よりお待ちしております。
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