霧とリボン
愛書家のための小間物ブランド《霧とリボン》のブログ
DATE: 2014/08/02(土)   CATEGORY: ESSAY
Lorde〜現代に舞い降りた十番目のムーサ
年を経ても不滅な「髪」は、
王女が喜びとし誇りともした純潔よりも、
更に長く生きながらへてゐたのだつた。


……ルネ・ヴィヴィアン「髪」(白鳥友彦訳)



Proserpine.jpg
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《プロセルピナ》


 ラファエル前派の乙女のごとき豊かな御髪をたずさえ、現代の地に舞い降りた十番目のムーサ、Lorde。2014年7月29日品川ステラボール、17歳のステージは圧巻の一言!






 ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップス時代のルイーズ・ルカヴァリエに匹敵する圧倒的なパフォーマンス。ひとりのミュージシャンであることを越え、依り代として存在することを宿命づけられているかのよう。犠牲を払うことを強いられた哀感が翻る漆黒のシフォンマントに濃く、深く、塗り込められていた。


映画《ベラスケスの小さな美術館》(1994年)より

金髪の女性がルイーズ・ルカヴァリエ


 Lordeより好きなミュージシャンは数あれど、この桁外れの存在感は比類がない。数多の舞踊手や振付家が存在したのはかような身体表現をこの世に出現させるためだったのかもしれない……と思わせる程の神秘性。希望を一身に受けた煌めきの重さにLordeの宿命を見る。表現とはやはり、決してひとりで完結するものではなく、預かり知らぬところで豊かに巡ってゆくものなのだ……とリアルに迫るものがあった。名を持つ一輪のための、名も無き無数の花たちを想い、胸が熱くなった。

 楽曲の完成度も高く、アレンジメントも非常に臈長けている。エッジーで最高にクールである! 知性と野性が際どくせめぎあう持ち味は生のステージでこそ発揮される。ファム・ファタール的なムードからは遠いところにあるモダニティもイマドキである!

 
Disclosureとのコラボレーション“Royals”


 
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